5線ペン
変態的なこのペン先は、イタリア製で、五線を書くための専用ペン先である。
手元に五線紙がない時も助かるが、機械的にまっすぐでない、人間味溢れる雰囲気の楽譜を書くことができるのも魅力。
実際にこのペンで五線を引いて描いた楽譜の画像は、こちら
五線はこの変態ペンで書き、音符はペリカンM600で描いた。
五線は滲まないようにブルーブラックで書くようにしている。
   
ガラスペン
Romeo Store で購入したガラスペン。青いほうはミニタイプで、とても可愛い。無色透明のほうは購入時に太字に研いでもらった。書き心地は万年筆みたいに心地良くないが、インク瓶に浸しながら使っていると、神秘的な魅力というか、特別 な楽しみが感じられる。
使用インクはHerbin/LouisXIVなど。)
   
羽根ペン  
Pendemoniumで購入した羽根ペン。
現代の羽根ペンのほとんどは、羽根の先に金属製のペン先を付けたものだが、これは本当に羽根の先を削ったもので、正真正銘の羽ペン。クォリティは高くない感じがするが、昔の人たちの感覚を真似てみるのも面白い。
あんまり羽根が白いので、白い羽根を穢したくなくて、インクはHerbinの白インクを使っている。
 
万年筆は、インクがなければ無用の長物。
一般には付属で付いてくるインクをそのまま使うだけという場合がほとんどだろうけれど、凝り出すと、インクにも色々あって、キリがない。ひとつのメイカーにも様々な色があるし、同じ色でもメイカーが違うと色合いや書き味が違う。
原則としては、万年筆のメイカーと同じメイカー製のインクを使うのが良いとされている。インクは化学製品で、相性が悪いと、万年筆の内側やペン芯の樹脂にダメージを与える可能性があるからだ。
だが、私は違うメイカーのインクを入れて使っている。色合いや書き味でベストなものを求めると、必ずしも純正インクで満足行かなくなるからだ。それでトラブルが起きたら、運が悪いと思って修理するか、買い換えるかするしかない。太っ腹に生きたい。
インク選びは難しい。紙に乗せたときの色合いは、紙質や、個々の万年筆のインクフローによっても変わるので、実際に書いた時の印象は千差万別。当然のことながら、フローが多いと濃くなり、少ないと薄くなる。乾きの速さも、そうした条件によってぜんぜん違う。様々な条件が組み合わさって、インクの印象が変わってくる。
ここに載せたカラーサンプルはあくまで参考程度に見て欲しい。
パソコンのモニタでは本物通りの色は再現できないし、紙で見る印象とは全然違うので。
相対的な比較判断に利用していただければ、幸い。
なお、ここに掲載するサンプルはすべて同一の、太字のガラスペンで筆記した。
筆跡や色合いは、かなりフローが多い状態の太字の万年筆に近い。
細字の万年筆で筆記した場合には印象がずいぶん異なると思うので、留意されたし。
青系
青系のインクを並べてみた。
世の中で万年筆のインクと言うとブルーブラックが基本だが、万年筆愛好家はブルーのほうを好むようだ。というのも、ブルーブラックは乾燥すると化学変化を起こして耐水性が高まり、経年退色もしにくくなって保存文書などへの使用に適する反面、ペン先の詰りも起こしやすく、メンテナンスが難しい。
私の場合も、ブルーブラックは基本的に使わないようにしている。
ブルーとひとくちに言っても、その色合いはメーカーによって違う。また、似たような色合いでも、書き味はそれぞれ違う。万年筆との相性もあり、書き味も純正がベストとは限らないような気がする。色合いだけ見ると、マイルドが好きならペリカン、濃いのが好きならアウロラという感じだが、書き味や乾きの早さなどで好みが分かれるので、一概にどれが良いとは言えない。
個人的に好きなのは、オマスのROMA2000だ。いかにも、青!って感じが良い。
なお、パイロットは、ブルーもブルーブラックと同様に耐水性があり、私は封筒の宛名書きに使っている。雨に濡れても判読できる。
臙脂・茶系
臙脂(ボルドー)系や茶系というのは少数派だが、私は好きだ。手帳用の万年筆にも、ペリカンの茶を入れている。
いわゆる赤とは違って深みのあるボルドーは、非常に好きだ。ただ、フローがブルーと比べると渋めなので、用途を選ぶ。また、赤系というふうにも見られるので、手紙にもあまり使わない。だが、非常に愛着が湧く色である。とくにカルティエのボルドーが好きだ。
画面だと分かりにくいかも知れないが、ヴィスコンティのセピアはかなり独特のニュアンスを持っていて、味がある。
また、プライヴェイト・リザーヴのブラックチェリーは、どんな万年筆に入れてもフローが良く、色味が濃いわりには乾きが良く、優れたインクだ。オススメである。
その他
その他の色を並べてみた。緑系、灰系、黒、紫系、赤系、柑橘系の順。
ペリカン以外の主要メイカーもグリーンインクを製造しているが、私は持っていない。
ここにはないが、オマスのグリーンもやや渋めで味がある。緑色は目に優しく、心が落ち着く感じがするが、私はどうも飽きてしまい、結局あまり使わない。
グレイというのもマイナーであるが、書いてみると、なかなか品がいいものである。シェファーのを、署名とか、たまに手紙にも使う。
黒も基本色だが、面白味はない。書類記入用の万年筆に使っている。
紫系は、色合いとしてはなかなか素敵だと思うのだけど、紫が似合う万年筆というのがなくて、今はどれも使っていない。そのうち、紫が似合う素敵な万年筆を手に入れようと思う。
赤は、スタッブ(カリグラフィ用のペン先みたいな)の万年筆に入れて、速達の赤い線を引くのに使っている。それだけのために、使っている。
柑橘系は面白いが、使い道があまりないのが難点か。
シェファーのキングゴールドは好きな色だが、生産中止になってしまって哀しい。欠点は、紙によってすごく滲むこと。
シェファーのオレンジは新登場の色。サンキストオレンヂって感じ。
ここにはないが、デルタのイエローは、蛍光ペンのイエローみたいに透明感があってきれいだが、字を書くとぜんぜん見えない(笑)
 


 




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