シューベルト 弦楽五重奏曲   コレギウム・アウレウム合奏団

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古楽器によるシューベルトの、名盤中の名盤。
コレギウム・アウレウムというのはブリュッヘンやクイケンなどの「本格派」古楽とは違う、モダンの奏法で古楽器を弾いているというタイプで、活動のピークは1970年代だったと思われる。
純血古楽ファンからは邪道と言われるかもしれないが、手には古楽器、心にロマンという彼らの精神は、まさにシューベルトそのもの。シューベルトの当時使われていた弦楽器は現代のものより、はるかにバロック時代の仕様に近かったし、ピアノは「木」の響きを持ちヒステリックな色彩に富んだ官能的な音をしていた。だがロマン派作曲家たちの作品は「時代」を大きく超えて未来へ飛翔するエネルギーに満ちていた。そうしたエネルギーの葛藤が、古楽器によるモダン奏法のコレギウム・アウレウムにより見事に表現されている。ベジタリアン系古楽とは一線を画す、音の「輝き」に満ちた音楽魂あふれる名盤。
ピアノ五重奏曲「鱒」と弦楽五重奏曲のカップリングだが、とくに弦楽五重奏曲(1980録音)の演奏が素晴しい。待望のCD化(LP以来約20年ぶり)に、私は涙した。
BMG (deutsche harmonia mundi) BVCD-38056〜7(2枚組)